鳥取の大山(伯耆大山)の山頂は絶景と聞いて
鳥取県にある「大山」。
山陰出身の僕はもちろん遠目からみたことはありますが、行ったことはありませんでした。
しかし近頃登山するようになり、他の人の登山記録をみる機会が増えるにつけ、
「伯耆富士」
「東の富士、西の大山」
と称されるほどの、素晴らしい山ということに気づきます。
具体的には、中国山脈からやや離れた場所に位置している独立峰であるため、山頂手前あたりからは、山の周りが一面、下界まで見渡せること。
そして、山頂には草原が広がり、尾瀬のような木道が敷かれていること。
さらに、中級者以上向けの「ユートピア」コースの場合、高山植物も咲き乱れる桃源郷のような場所らしいこと(大げさ?w)
ヤマップで大山の登山記録をみて、山陰出身者としていつか行ってみたい!とウズウズしてたら、たまたま島根県に住む祖母のお見舞いで下の子2人をお盆期間に連れてくことに。
しかも、「山の日」が滞在期間に含まれてますよ!
天気が良い日があれば早朝いったれ!小4の次男と登ったれ!
と、よこしまな野望が父の脳裏に湧き起こります。
さらに調べていくと、二つある登山道のうち、「夏山登山道」は比較的難易度が低く、登山初心者向きなことはもちろん、小学一年生の娘でもいけそうということがわかり、「娘にも百名山デビューさせよう」と、父親の野望はさらに膨れるのでした。
大山 登山時の装備
とはいえ、あくまで祖母のお見舞いが目当てなので、あれこれ登山ギアを持ってくわけにもいかず。
今回はクッカーやバーナーは用意せず、最低限必要なものを持ってくにとどめました。
- リュック(PaagoworksのBuddy22)
- ポンチョ
- 帽子
- ファーストエイドキット(アブに刺されたので毒抜きは役に立ちました・・・)
- エマージェンシーシート
- ヘッドライト
- 笛
- コンパス
- 行動食
- 長袖シャツ(山頂は涼しいと聞いてたので)
- 水(ピーカン予報のため、一人1.5リットル)
娘はトレシューではなく、通常の運動靴でいくことにしました。
コロコロ変わる大山山頂の天気予報
今回は、小学一年生の娘も一緒となり、保護者1名に対して小さな子供2人なので、絶対に無理はできません。
鳥取県のホームページには以下の様な記述があります。
大山は、日本海に面した独立峰でいったん天候が崩れると標高3,000メートル級に匹敵する厳しい山となります。
Source:大山登山情報/警察本部/とりネット/鳥取県公式サイト
よく整備された夏山登山道コースで転倒や道迷いトラブルが起きる可能性は低いので、安全登山のためには、とにもかくにも天候への備えが最重要事項となります(と考えました)。
いつものように「てんきとくらす」と「登山天気」を使ってこまめに天気予報を調べ、予定日を決めても前日・前夜に雨予報に変わること2回!
「山の日」である8/11は初っ端から悪天候予報なのであきらめ。
結果的には当初の登山予定日から2回も延期することになりました。
ようやく8月13日になって、鳥取大山を登れる日がきたのです。
急遽持って行くことになった祖父の双眼鏡
出発前夜のこと。
パッキングがてら、「そういや大山の山頂から景色を双眼鏡でみたいな〜」と思い、祖母に「双眼鏡って持ってないよね?」と質問したらば・・・
立派なアンティークな双眼鏡をだしてくれまして(汗
聞く話では亡き祖父の持ち物で、祖父は大山登山が好きだったらしい。
よし、ならばこれも持っていこうじゃないの!
山頂で双眼鏡を使えばおじいちゃんに大山の様子を見せられるかも!?
というわけで急遽、この双眼鏡も持って行くことになりました。
松江市から大山までのアクセス
大山は、島根県松江市からであれば、車で1時間もかからない好アクセス。
山陰道、米子道を経て下の道を少し行くだけです。
当初4時に起きようか悩みましたが、5時に出て6時に着けば余裕だろうとたかをくくりました。
ところが当日になって、いざ現地に着いてみると、なんと車を停めようとしてた「下山駐車場」がロープが張られて閉鎖されてます。
状況を把握できないまま車を進めると、少し先にもうひとつの駐車場があり、そっちは満車です!
しかし、小型車で行ったことが幸いし、ほかの車ではとうてい停められない隙間に駐車できたのでした。
登山口からいざ、大山登山開始
大山の登山届けは、切り取り式になっていて、下半分は大山の地図となっています。
登山届けを書いていざ出発!の前に、子供二人に念のためトイレに行かせます。
今回、ポールはおばあちゃんが使ってたのを借りて子供に一本ずつ使わせます。
娘の手を引くパパは、パーゴワークスさんのバックパック「Buddy 22」の初陣!
最初はひたすら木の階段とロッキーな道が続きます。
子供の歩幅にはびみょーな間隔と高さで、結構大変そうです。
周りには木が生い茂っているので、景色もあまりみれません。
早く頂上に行きたい次男と、初めての本格登山に戸惑いながらもがんばる登山初心者の娘とのあいだで、やがてケンカが始まり、みるみる空気が険悪に・・・
こういうときくらいケンカやめて欲しいんだよなぁ^^;
森林の隙間から、絶景が見えるタイミングがだんだん増え・・・
喧嘩を続けながらも、懸命に登り続ける兄と妹。
時折のぞく絶景に、これから見られるであろうさらなる絶景への期待が膨らみます!!!
妹が登るのをぷんぷん怒りながら待ってた兄が、たまたまミヤマクワガタを発見。(逃がしました)
そして途中の絶景ポイントでは松江方面を、おじいちゃんの双眼鏡で覗いてみたりしているうちに、二人の機嫌はよくなり、楽しい登山ムードがもどりました(安堵)
しかし。。。
噂通りのというか、噂以上に凄まじい絶景が広がってます!!!
海岸線はもちろん、中海や宍道湖、三瓶山など島根もガッツリとみえてます!!!
こういう山からの風景って、今までみたことないな。。。
子供達の機嫌も上々です!
そして鳥取大山の山頂へ
ようやく、憧れていた「木道」のゾーンに辿り着きます。
「ダイセンハイボク」のきれいな緑と、真っ青な青空とのコントラストがきれいすぎます!!!
いよいよ頂上もみえてきました。
子供達の登頂意欲がみるみるUPし、高いテンションでガンガン登っていきます。
改めて写真でみても、ほんと素晴らしい景色だなぁ。
言葉が要らない。
着々と登り続け・・・
ようやく頂上に到着!
出発から3時間たってのことでした。
ほぼコースタイム通りなので、小さい子供二人を連れてきたにしてはよいペースだとおもいます。
いい笑顔でしょー。
山頂は激混みというほどではなく、3人でゆっくりおにぎりを食べながら周りの景色を眺めます。
天気に恵まれ、望んでた風景を愛する子どもたちと味わえる。これ、本当に幸せ・・・。
そして祖父の双眼鏡から松江方面を覗いた状態で写真を撮ってみる(笑)
さすがにちとビミョー。。。
山頂からみる、大山の弥山から連なる峰は、想像以上に尖ってました。
みてるだけでびびる。。。
空は真っ青、地上はスッケスケです。
桃源郷でしょうか???
とある大山の登山記にも書いてましたが、あまりにも美しすぎて、どことなくWindowsXPの壁紙を彷彿とさせる草原ですねw
鳥取って何て綺麗な場所なんだろう。
この下の写真なんて、江戸時代からあまり変わってなさそうですよね。
日本昔話に出てきても不思議ではない雰囲気だよなぁ。
そして大山を下山し、大山神社を経て駐車場まで
素晴らしすぎる絶景に別れを告げて、下山を開始です。
そう、今日はお墓参りにも行かねばならぬので、夕方までに松江に戻りたいのです。
登山初心者である小1の娘ははじめての長時間の下山に、「つま先が痛い」と言い出したので、くつのマジックテープを調整してあげ、足のおろし方をアドバイスしてあげます。
下山は「行者谷」コースを通ってくだります。
途中6合目小屋では、携帯トイレを使ってのトイレ体験を子供二人ともしましたよw
ここのトイレでは、モンベルさんが携帯トイレを使えるようにしてくれており、利用者はそれを使って用を足す仕組みです。
無料です。
さすがに疲れがではじめて、二人とも言葉少なく、黙々とくだります。
娘は3回ほど尻もちをついてもいました。やはり下山時は気をつけなきゃいけませんね。
転倒時には必ず谷側に転ばないようにすることなど、初心者に必要な情報を、細かく注意します。
途中、干上がった沢を渡り・・・
ふと山を見上げると、思いっきりガスっています。
大勢の人達とすれ違ったので、彼らは山頂で景色をみられたのかな。。。と気になります。
きょうだいのチームワークも、最後まで乱れる事なく・・・
危ない箇所は一緒に行こうと兄は声をかけてくれます。
大山神社にも辿り着き、駐車場を目指します。
そして下山開始から3時間、駐車場に辿り着いたのでした!
嬉しかったのは、娘が下山中になんどとなく
「登山って面白い!大変だけど、景色きれいだし、パパやお兄ちゃんと一緒に登れて楽しいからまた行きたい。富士山来年登りたい」
などと口にしていたことですね。
今まで登った低山登山では、娘はあまり楽しめてなかったので大きな変化です。
親としてこういう風に、体験を通して価値観が変わる瞬間が見られると本当に嬉しいです。
鳥取の大山にいってよかった!
景色の素晴らしさはホンモノだった!!
現場からは以上です。
PS
帰り、二人は深い眠りについておりました。。。
二人ともおつかれさま!よーやった!