- 結論先出し:4軸で選ぶ ココヘリ早見表
- 5プランのプロフィール:何が違うのか
- 軸別の絞り込み:コスト・GPS・補償・海・圏外SOSで選ぶ
- 5プラン×8項目 全体スペック比較表
- シーン別ベストバイ:日帰り・縦走・単独行・家族・マリン
- コラム:ONEの見逃しが一番もったいない——¥0で遭難対策協議会費用を塞ぐ仕組み
- 買い判断サマリー:タイプ別の答え
- まとめ:山との折り合いがついたプランを選ぶために
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ココヘリに入るとは決めた。でもBasicとGPS+で迷っている。SUMMITは高すぎる気がする。ONEって何だ——。
ココヘリは2023年以降、プランの数が急速に増えた。山岳向け3プラン+マリン+SOS Directという布陣になり、「どれを選べばいいか」が素直には見えにくくなっている。この記事では、2026年5月時点の全プランを4つの軸(コスト・トラッキング・補償・圏外SOS)で整理し、用途別のベストバイを示す。
結論先出し:4軸で選ぶ ココヘリ早見表
まず結論から。詳しい根拠は後の章で展開する。
| 軸 | 1番手 | 2番手 |
|---|---|---|
| コスト最優先 | Basic(¥6,600/年) | — |
| トラッキング重視(家族が位置を見たい) | GPS+(¥13,200/年) | SUMMIT |
| 補償まで手厚く | SUMMIT(¥18,700/年) | GPS+ |
| 圏外でのSOS通報 | GPS+ or SUMMIT + SOS Direct | Basic + SOS Direct |
| 海・川・湖の活動 | ココヘリマリン(¥13,200/年) | — |
どのプランにも共通して言えること:ONE(ワン)への申し込みを忘れるな。追加費用ゼロで遭難対策協議会費用を最大30万円補償できる。入会後にマイページから申し込まないと付与されない。
5プランのプロフィール:何が違うのか
ココヘリのすべてのプランに共通する核は「直接通信による発信機探知」だ。会員が携帯する小型発信機が専用電波を発し、専用受信機を搭載したヘリコプターが上空から最大16km先まで探知する。この仕組みは携帯電話の圏外かどうかに依存しない——電波は出し続ける。
プランごとの差は「それに何を加えるか」にある。
Basic(ベーシック)| ¥6,600/年 + 入会金¥3,300
ココヘリの入口。発信機(GPS非搭載)を携行し、万一の際は専用ヘリが電波を追って探し当てる。
- 捜索・救助費用補償:最大¥550万
- 個人賠償責任:最大¥1億円
- アウトドア用品補償:最大¥3万(免責¥5,000)
- GPS/トラッキング機能:なし
山行中の自分の位置を家族にリアルタイム共有したいわけではない。とにかく万一のときに探し当ててもらいたい——それだけならBasicで十分だ。
GPS+| ¥13,200/年 + 入会金¥3,300
Basicの捜索力に、GPSトラッキングが加わったプラン。発信機にGPSを内蔵し、SONYのIoTネットワーク「ELTRES」を経由して3分おきに位置情報を送信する。
- 発信機スペック:約45g、IP68(水深10m・30分)、USB-C充電
- GPS送信持続:フル充電から約2週間
- 直接通信持続:バッテリー低下後も約2ヶ月間継続
- HITOCOCOアプリ:家族がスマートフォンで位置確認可能
ELTRES基地局が届く圏内ならGPSデータが蓄積されるため、捜索開始前に「最後にGPS信号を受けた地点」を絞り込める。捜索時間の短縮に直結する。
単独行の頻度が高い人、家族に位置共有したい人——GPS+が選ばれる理由はここにある。「昨日の昼から位置が更新されていない」という家族の気づきが、通報の契機になることがある。
SUMMIT | ¥18,700/年 + 入会金¥3,300
GPS+の全機能に、傷害補償を加えた最上位プラン。
- GPS+のすべての機能を含む
- 死亡・傷害補償:最大¥50万
- 手術補償・入院補償・通院補償付き
救助費用の補償はどのプランも¥550万で変わらない。SUMMITが追加するのは「救助された後の自分の身体へのコスト」だ。骨折して入院が長引いた、手術が必要だった——そういう場合の補填が加わる。山岳保険との役割分担を考えながら選ぶ。
ココヘリマリン | ¥13,200/年 + 送料¥550
山ではなく海向けの捜索支援サービス。海水浴・SUP・カヤック・ダイビング等のマリンスポーツが対象。
- 発信機スペック:同上(約45g、IP68、USB-C)
- 3フライトまで無料ヘリ捜索
- GPS履歴をスマートフォンで確認
- 24時間365日コールセンター
山ほど件数は多くないが、海の遭難は発見難度が桁違いに高い。漂流が始まれば位置は刻々と変わり、目視発見は困難を極める。GPSを発しながらヘリが探せる——その価値は山と同じ構造だ。
ONE(ワン)| ¥0追加(ココヘリ会員限定オプション)
2025年10月に追加されたオプションで、AUTHENTIC JAPANが保険料を全額負担する。ココヘリ会員であれば追加費用なしで申し込める。
対象:遭難対策協議会等(地域の山小屋・ガイドが組織する捜索団体)による捜索・救助費用
- 補償上限:1回あたり最大¥30万
- 対象外:家族の駆けつけ費用、謝礼、遺体搬送費
遭難対策協議会の出動費用は従来のココヘリ補償の対象外だった。警察が出動して地元組織を動員する流れになると、40〜50万円規模の費用が遭難者に請求される事例がある。ONEはこの穴を塞ぐ。
ただし申し込みは自動でない。 入会後にマイページからオプトインする必要がある。
SOS Direct | ¥0〜(2026年4月開始)
Starlink衛星通信を経由して、圏外からでもココヘリのコールセンターに直接SOS連絡を届けるサービス。
- iPhone 14以降:デバイス内蔵の衛星SOS機能を利用。追加費用なし
- Androidなど:Starlink対応の衛星通信副回線を追加(¥1,650/月〜)
従来の発信機は「探す」仕組みだ。SOS Directは「呼ぶ」仕組みを圏外でも成立させる。二つが組み合わさることで、「通報できない→捜索が遅れる」という連鎖を断てる。
SOS Directの詳細は別記事で詳しく書いている。
SOS Directがココヘリの補償体系とどう組み合わさるかは複雑な部分もある。→ ココヘリ SOS Directの仕組みと全選択肢との比較を読む
軸別の絞り込み:コスト・GPS・補償・海・圏外SOSで選ぶ
🥇コスト最優先:Basic + ONE
年間¥6,600(入会金¥3,300は初回のみ)。これに追加¥0でONEを加えれば、発信機探知+¥550万補償+遭難対策協議会費用¥30万補償が揃う。
🥇GPSトラッキング・単独行:GPS+
位置情報をリアルタイムに家族へ共有したい、捜索時間を最短にしたい——このニーズにはGPS+。BasicからGPS+へのアップグレードコストは¥6,600/年。ELTRES基地局のカバー範囲(山岳部での電波到達状況は山域による)という制約はあるが、最後のGPS座標があるかないかは捜索の速度に直結する。
🥇身体への補償も込み:SUMMIT
山岳保険と組み合わせている人は、SUMMIT傷害補償との重複を確認してから選ぶ。単独でSUMMITを「最上位パッケージ」として選ぶか、GPS++山岳保険で組み合わせるかは個人の保険設計による。
🥇海のアクティビティ:ココヘリマリン
山岳プランとは別契約。海での活動がメインなら迷わずマリン。山もやる人は両方加入が必要になる(プランの兼用不可)。
🥇圏外SOS:どのプランでも SOS Direct を追加
SOS DirectはiPhone 14以降なら実質¥0で加えられる。ココヘリの発信機(探す)と組み合わせることで、「呼べない→遅れる→探せない」の連鎖を断てる。Androidユーザーは月次コストが加わる点に注意。
5プラン×8項目 全体スペック比較表
| Basic | GPS+ | SUMMIT | マリン | ONE(追加) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 年会費 | ¥6,600 | ¥13,200 | ¥18,700 | ¥13,200 | ¥0 |
| GPS搭載 | ✕ | ◎ | ◎ | ◎ | — |
| HITOCOCOアプリ連携 | ✕ | ◎ | ◎ | ◎ | — |
| 捜索・救助補償 | ¥550万 | ¥550万 | ¥550万 | 3回無料 | ¥30万 |
| 個人賠償責任 | ¥1億 | ¥1億 | ¥1億 | — | — |
| 傷害・入院補償 | ✕ | ✕ | ◎ | ✕ | — |
| 遭難対策協議会費用 | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ◎ |
| SOS Direct対応 | ○要追加 | ○要追加 | ○要追加 | — | — |
シーン別ベストバイ:日帰り・縦走・単独行・家族・マリン
日帰り・一般登山道メイン・低頻度
Basic + ONE。最低コストで発信機探知と補償の核を確保。
テント泊縦走・奥地まで入る・年10泊以上
GPS+ + ONE + SOS Direct。位置共有と圏外SOS通報を組み合わせ、万一の発見確度と速度を最大化する。登山頻度が高いほどアップグレードの費用対効果が上がる。
登山中の装備全体を見直す文脈で、GPSウォッチの衛星SOS機能とココヘリの役割を整理した記事も参考になる。→ Apple Watch Ultra 3・ガーミン fēnix 8・COROS VERTIX 2Sの衛星SOS機能と比較する
単独行・バリエーションルート
GPS+ or SUMMIT + ONE + SOS Direct。誰かに頼れない状況での自己完結能力がそのまま生存率に直結する。SOS Directで「呼ぶ」、発信機で「探してもらう」、ONEで「費用の穴を塞ぐ」。
子連れ登山・家族での山行
Basic + ONE が現実的な入口。子供の安全と遭難リスクについて考えるなら、装備だけでなく行動計画の見直しを合わせて行う。
子連れ登山での安全の考え方は別記事に書いた。→ 五頭連峰遭難を受けて——親子登山で実践している安全対策を読む
海・マリンスポーツ
ココヘリマリン一択。山岳プランとは別サービスなので別途加入が必要。年会費¥13,200でGPS搭載発信機貸与+3回無料ヘリ捜索。
コラム:ONEの見逃しが一番もったいない——¥0で遭難対策協議会費用を塞ぐ仕組み
ココヘリの補償体系に「盲点」がある。¥550万という数字は民間ヘリコプター費用や提携救助チームの費用をカバーするが、遭難対策協議会(地域の山小屋・登山ガイドが組織する捜索団体)が出動したときの費用は対象外だった。
警察の指揮下で地元の遭難対策協議会が動員されるケースでは、人件費・装備費・ヘリ運航費がまるごと遭難者に請求される。相場は40〜50万円。「警察が動いたから無料」は誤解で、警察が手配して地元組織が出動した費用は自己負担になりうる。
ONEはこの穴を塞ぐ。AUTHENTIC JAPANが保険料を全額負担し、会員は無料で最大¥30万の補償を受けられる。申し込みはマイページからの1ステップだけ——入会しただけでは有効にならない点だけ覚えておく。
inReach Mini 3 Plusのような衛星コミュニケーターと比較したとき、ココヘリの費用補償体系の「発信機探知+補償+ONE」という構成は日本の山岳救助の文脈に特化している。→ Garmin inReach Mini 3 Plusとの比較:125gで「声が届く」衛星コミュニケーターの到達点を読む
買い判断サマリー:タイプ別の答え
| タイプ | 推奨プラン | 年間コスト目安 |
|---|---|---|
| コスト重視で入口として | Basic + ONE | ¥6,600 |
| 家族に位置を知らせたい | GPS+ + ONE | ¥13,200 |
| 全部込みで手厚くしたい | SUMMIT + ONE + SOS Direct | ¥18,700〜 |
| 海がメイン | ココヘリマリン | ¥13,200 |
| iPhoneユーザーのコスパ最大 | GPS+ + ONE + SOS Direct(追加¥0) | ¥13,200 |
共通して言えること:ONE(ワン)は全員申し込む。¥0なので迷う理由がない。
まとめ:山との折り合いがついたプランを選ぶために
ココヘリは「何もしないより確実に選択肢を広げる」サービスだ。Basic¥6,600でも、万一のとき専用ヘリが発信機を追って探し当てに来る——この一点だけで、保険単体との差が生まれる。
どこまで積むかは、山行スタイルと頻度で決まる。奥地で3泊する縦走と、ガイド付きツアーで年1回の富士山では、適切なプランは違う。「SOS Direct + GPS+ + ONE」という組み合わせは、現時点で日本の山岳救助においてもっとも重厚な自己完結型の備えになる。