Ado特別ライブ「心臓」行ってきた #Ado
2024年4月、Adoが国立競技場で行った特別ライブ「心臓」行ってきました。
このライブレポートは、あの鮮明すぎる記憶が薄れる前に、自分自身の思い出の記録。
(筆者は二日とも行ってますが、このレポートは主に心臓LIVE2日目についてのもの)
国立競技場入り
前日早く会場入りして一通り物販等を回っていたので、この日は三時過ぎに現地入り。
1日目よりも人は凄い。老若男女、客層も極めて多様。
この日は、アリーナ最後部のブロックの席だ。
会場に到着すると、Twitterで知り合ったAdoファンの同年代(おじさん)2名と遭遇。わいわい盛り上がり、やがてアリーナに入って開始時刻を待つ。開演時間が近づくにつれて、TeddyLoidのDJもスタートし、会場に熱が入り始める。
TeddyLoidのDJタイムが終わり、ライブ開始時刻である18時をちょっとすぎたあたりで、自分の一番好きな曲「心という名の不可解」のインストバージョンが!!!
この曲はカムパネルラのアンコール前のラストだったり、MARSのアウトロにも使われてて、Ado的にも思い入れのある曲。(ロッキングオンジャパンによるAdoへのロングインタビューでもそのようにAdo自身、語ってた)
今日きけると嬉しいぞ!きけるかな・・・!とめちゃくちゃに気持ちが熱くなっていく。
「うっせぇわ」からのロケットスタート
スクリーンに心臓がドクドクと動くムービーが流れる…そしてステージ中央からケージがあがってきて、とうとうAdoが登場!!!
頭をぶんなぐるようなイントロからはじまったのは「うっせぇわ」。
最初にいきなりこれか〜!!!
自分も周りも大興奮、いきなり火が付いた!!
さらにパワーアップしているガナリや、こめかみに指をつきつける大好きなシーンも間近でみれ、
我を忘れて叫ぶソロ参加な40台男性(かに座)。
あっというまに終わり息つく間もなく、叩きつけるようなイントロの「Tot Musica」突入!
歌い出しの所、ルーン語なのでわからんからテキトーに叫んだw
にしても2曲続けてパワー全開のチューン😹
国立競技場というデカすぎる箱を一気にフルスロットルにしようという狙いはどハマり、スローテンポながら、うっせぇわに続く圧倒的なパワーにボルテージMax。
次は1stアルバムから2曲続けて。
「ラッキー・ブルート」ではカムパネルラでもみれた、だるそ〜に寝そべりながらのパフォーマンス。歌唱力とのギャップが凄すぎて、となりの人につられ笑ってしまう。
立て続けに狂言の「ドメスティックでバイオレンス」。カムパネルラDVDでも、がなり声の混じった歌唱がめちゃくちゃかっこ良かったんだが、、、
このあたりで気づいてしまった。
そう、DVD「カムパネルラ」から「MARS」でも、Adoの歌唱が進化しまくってると実感していたのだが、さらに進化してる!MARSから1年も経ってないのに…
Ado初の世界ツアーWishで覚醒したのか?w
改めて、Adoの凄さったらない。
お次は「Adoの歌ってみたアルバム」からの「愛して愛して愛して」。
これは国内ではライブ初披露のはず。(初の世界ツアーWishでもセットリストに入っていた)
がなりからミルキーボイスから超絶スクリームまで、落差が激しすぎる変幻自在の歌声にただただビビる。
会場内の空気も完全に呑まれてる。
そしてまた狂言からの楽曲シリーズ。
変則的なリズムが印象的な「過学習」、ロッキングオンジャパンのインタビューで「自身を表現しているに近い2曲のうちの1曲」という主旨の発言をしていた「マザーランド」と続く。(ちなみに、もう1曲は「心という名の不可解」)
そのあとはミッドテンポからはじまる「ギラギラ」へ。
この曲はとっても個人的に思い入れがある曲。というのもAdo聴き始めの頃、最初にAdoの繊細な表現力にハッとさせられた曲。特にこの一節 --
「愛されないくらい なんだ」(「ギラギラ」より引用)
MARSでは歌われなかった、大好きなこの曲を生で聴けるなんて…
幸せのあまり呆然としてしまう。
ドローンアートからの連続新曲披露
これに続くのは「永遠のあくる日」。
Adoがしらすた登場時でも語っていた、時間を止める瞬間を含め、みんな聴き入る・聴き惚れる。
夕暮れに映える、壮大な歌唱と演奏に感動のウェーブが・・・。
Adoの歌が終わり、エンディングに向かうにつれて上方から異音がきこえる!
見上げるとドローンが飛んでいるのが見える!ドローンアートだ!!
壮大な演奏が続く中で、ドローンが心電図の波形や、今回のコンサートのテーマである青い心臓を空に描いていく。
そして花火も打ち上がる!
こ、こ、これは一体…こんな凄い演出見たことない!
ドラマチックな演奏もあいまって、涙が出そうになる。
Adoの心臓部分から多数のケーブルが周りのスピーカーに繋がってるORIHARAさんのイラスト。
世界を目指しツアーもしたあとに、日本の最中心地で行うライブの名前が「心臓」。
「私の心臓は、ここにいるみんなだ。みんながいるからこそ、私はAdoとして歌い続けられる。世界に出て行ける。」
そんなメッセージを勝手に感じていたから、空に描かれる巨大な心臓のドローンアートに、ただただ心打たれてしまった。(ちなみに、このあとのMCでも語られるように、実際には「心臓」というライブ名にはもっと色々な意味が込められていた!)
凄すぎる演出が一段落した後は、しんみりした雰囲気をガラッと変える「私は最強」から始まり、コールアンドレスポンスが楽しい「レディメイド」(どうだい→後悔→脳内→問題の順番ちゃんと覚えてなくて後悔…)。
そしてライブ初披露らしい「クラクラ」とアップテンポな曲が続いていく。
そして何と今年に入ってリリースされたばかりの「ショコラカタブラ」まで!
Wishツアー直前にリリースされ、海外ファンも期待していたが歌われなかった曲だがここで聴けるとは!!
変幻自在な歌いっぷりに痺れまくりだが、間を置かずに今度は「Value」と新曲2連発マジすか!!
こっちはWishツアー中にリリースされた楽曲。海外ファン達よ、先に済まん。。。どちらも本当に最高だった。
続くは「Hello Signals」。ソフトバンクとのコラボ曲らしいが、個人的には聴き込みが足りてなくて、ノリに全然ついてけてない・・・😅せっかくなのに、、、くやしいいぃ。
(Youtube公開されているのは2分に満たないもの。この日歌われたのはフルバージョン)
16番目に歌われたのは「いばら」。
この曲の途中から、Adoはケージから出て歌う!
MARSでもそうだったが、印象的な巨大な薔薇の茎とトゲがステージ上に映し出されてほんとうに美しい。
この曲のなかで、聴き手に寄り添うように歌う優しいAdoも、聴き手に檄を入れるAdoもどちらも大好き。
そんな「いばら」に続いたのが「唱」。
ステージの両サイド左右に大きく踏み出て競技場の左右のオーディエンスの期待にも応え、全力で歌うAdo。
その状況に会場が大興奮!なのに、めちゃくちゃかっこいい転調で来たのが18曲目「踊」!
この「唱」からの「踊」への楽曲の繋ぎ方が本当にかっこよかった!!バンドのみなさん素晴らしい!!!
もちろん自分も大興奮だが、明らかにこの繋ぎにはスタジアム全体も大興奮。
18曲過ぎてから(!?)、最初のMC
ここまで18曲も聴いたとは思えないスピード感、濃密さだったのだがここでようやっとMC。
余りにも凄すぎて時間感覚が歪んでおり、まだ10曲目くらいだと思ってた😅
Adoは、Wishツアーを通じて様々な国と文化に触れたことで、かえって日本の素晴らしさを再認識し、ボカロや歌い手といった日本の文化の素晴らしさを世界中の人々に知ってもらいたいという強い思いが芽生えたことを話してくれた。
(以下はワールドツアーのダイジェスト画像)
さらにライブ名称「心臓」には、人としてのすべての感情を伝えたいという意味が込められているとともに、
もう一つの意味として、Ado自身にとっての「心臓」が、歌い手とボーカロイドの文化にあるということまで話してくれた。
さらには、自身の活動を通じて、あらゆる人たちを救っていきたい、という主旨の大胆な発言まであった。
これは受け止め方は色々できそうだが、音楽を通じて人の心・価値観・世界観・生き方が劇的に変わる、というのは事実ある(自分自身もそうだった)。
歌い手たるAdoのいう「救いたい」とはそういう意味で言っているのだろう。
周りの観客の中にはこの発言に対して白けた反応をしている人もいたが、この世代の1個人が、あえてそこまで言えるのは本当に凄い覚悟だと自分は思いぐっときた。
マジで生き様・覚悟をリスペクト。
(最近のインタビューにあたるロッキングオンジャパン2024/2月号でも滲みでていた強い覚悟・使命感だ)
Adoの思いが込もったMCのあとは、「新時代」へ突入。完璧すぎる構成。
先ほどのMCから感じた感動が、ステージに映し出される明るい大映像とともに会場中を爆発させていた。。。
絶対絶対、Adoは新時代をつくる、そう信じる!
昨年宣言したグラミー獲得だって絶対とれる、ただそれすらもAdoにとっては通過点。
さらにさらに、もっともっと凄い存在になってくれて、世界中のリスナーを感動させ、寄り添い、前に進む力になってくれるはず。
そしてステージは暗転し、全19曲で構成される本編はここで終了となったのであった!!!
アンコール〜サプライズの連続
しかしここで観客が引き下がるわけはない!
しつこくアンコールコールが流れ、少し時間が経ったころ…
暗いステージで何か動きが。
前に歩いてくるのはギターをもったレジェンド感あふれるナイスミドル・・・
誰だ・・誰だ・・B’zの松本さんじゃん!!!
マジかぁ。凄すぎて笑うしかない。
キュインキュイーーーン!と、鳴きの入りまくったギターソロを披露してくれる。
そして松本さんのギターソロが終わるとステージが明るくなり、巨大な青薔薇のバルーンが登場して「Dignity」がはじまった!
Adoは上部付近に立っている。小林幸子感あるw
松本さんとAdoの贅沢すぎる共演。もちろん楽曲内のギターパートは心臓ライブアレンジの特別なやつ。
聴いているこちらの心臓をわしづかみするようなギターが鳴り響き、もちろんあのホイッスルボイスも・・・。
演奏が終わると、松本さんは観客に挨拶をしてステージから消える。うーんダンディ。
そしてここでステージ上のディスプレイにバンドメンバーそれぞれが大写しになって紹介がはじまる。
ドラムの森田龍之助さん、ベースのNaoki Kobayashiさん。
キーボードの和久井沙良さん。バンドマスター&ギターの高慶"CO-K"卓史さん。
紹介時に各々のスタイルでフリースタイルソロをやってくれて、周りでも悲鳴が上がっていたほど、それぞれめちゃくちゃかっこいい。
(和久井さんはWishツアーでもかなり人気だったようで、Redditでもあのエネルギッシュで美しいキーボーディストは誰だ?と騒がれてた)
終わると、Adoはステージ上にはいない。
ステージの左端に、Ado版エレクトリカルパレードといった趣向で、移動する車の上に乗った、輝く白い鳥かご型の中にいる!
その中に入ったまま次の曲「行方知れず」へ。
椎名林檎が楽曲提供し、Adoのがなりがガッツリ聴ける、大好きなロックソング。鳥かごはアリーナ内を一周するという演出に会場内が湧く!
アリーナ後ろから2列目だったので、白い鳥かごこっち来るよね?と思っていたら、やはり曲が進むにつれめっちゃ近いところにAdoの檻がくる!
・・・くる!!
・・・きたぁ!!!!
見える!狭い鳥かごの中で黒いベールの様なものを顔の上部分にまとったAdoが激しく動きながら熱唱!!鳥かご揺れてる揺れてるw
一番近づいたとき、こちらを向いてくれ、歌っているAdo!
ジャンプしたら届きそうな2メートルくらいの距離に本物のAdoがいるんですけど?!?!
無我夢中で「Ado〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」と吠える、ソロ参加な40才男性会社員(B型)。
今思い出しても胸アツ百万馬力な瞬間。個人的にはこの日、「2」番目のクライマックスな奇跡の数秒間となった。
そのまま鳥かごは自分のエリアを過ぎていき、「逆光」「FREEDOM」と続いて、FREEDOMのコールアンドレスポンスをおえる。
後方の観客にも楽しんでもらいたいという思いやりあふれるこの演出、本当に素敵でした。
初音ミクとの共演
そして再びAdoはステージへ戻り、この日2回目のMC。
ボカロと歌い手を世界に広める架け橋になりたいと語ったあと、ステージ上には初音ミクが現れ、Adoとデュエットがはじまる。
後でチェックしようと思ったら完全な新曲だった「桜日和とタイムマシン」。
となりの観客は相当ボカロ好きらしくて、大興奮していた。
自分はボカロに詳しくないが、Adoをはぐくんだカルチャーとして必ずこれから積極的に開拓しようと決意。
最後、Adoが息をふきかけるとミクは花びらとなって消えていった。
最後に語った言葉、そして「心という名の不可解」
Adoはみたび、MCとして話し始める。
その内容は、本当に本当に生々しくも、感動的なものだった。
1日目と違い、この日はAdo自身も途中感極まって泣いてしまっていた。(それをきいた客の多くも泣いた)
個人的に、Adoの過去のインタビューやブログ等もみてたから、彼女の戸惑いや不安定さもうかがえて、潰れてしまわないかと怖く思っていた。
しかし最近になって垣間見えるインタビュー発言から、Adoのポジティブな心境変化を勝手に強く感じていた。
が、この最後のMCでは、Adoが10代前半くらいからの、ずっと辛かったときの心境を含めて、あえてありありと語ってくれていた。
それは過去のAdo自身に対して、そして当時のAdo自身のような気持ちに陥ってしまっているかもしれない観客ひとりひとりのために語っているんだろうと想像した。
歌い手として支持を集める前はずっと孤独。
歌い手として成功してからも、急な大成功と急激に変わる環境への戸惑いから孤独。
「それでも、どんなに良いことのない1日でも、ボカロと歌い手をきいている時だけは楽しい気持ちになれた。」
-- そのような発言をきいて、あぁ、Adoはずっと一人だったんだなぁと思った。
さすがにこらえきれずに思わず涙が出た。
続けて言う。
「だからこそ自分はボカロと歌い手に対して恩返しがしたい」
-- そのような過去をくぐり抜けてきたからこそ、この言葉は本物だなと思った。
「この日を忘れないでいただけると嬉しいです」
-- どれだけ謙虚なん、、、w
忘れるわけないでしょう。一生応援しますよ。
そして観客への御礼とともに、最後の曲名をAdoが口にする。
「心と...」といった瞬間に思わずガッツポーズして「おっしゃぁ!!!」って叫んでしまう。
そう、「心という名の不可解」!自分的にはこの日No.1のクライマックス。
彼女が1stアルバムの曲の中でも一番自身を反映した曲の一つである、というくらい思い入れのある曲。
シャウトを含めて展開の多様な曲だが、さっきの気持ち入りまくりなMCの直後かつ、歌詞の内容的にもかなりシンクロする内容な為、感情移入してかAdoの歌声は時折泣きそうになってて、しばしば高ぶってきこえる。
そのたびに「がんばれ!!!」心の中で何回も連呼して応援していたのは会場にいる全員だったはずだ。
DVD「カムパネルラ」でも何回も何回も見返した、一番好きな曲「心という名の不可解」。
この日のそれは、感情のこもった歌の緊張感が凄まじくて、本当に特別なパフォーマンスだった…。
*DVD化はぜひ二日目でお願いしたい 😹
やがて歌唱・演奏が終わると、観客を別れに告げ、たちどころに競技場の方々で花火が打ち上がり、この素晴らしい夜が終了した。
幸せ過ぎた。
凄すぎた。
このライブを体験できて本当によかった。
Adoさん、素晴らしい体験を本当にありがとうございます。
Adoのパフォーマンスを支えた関係者の皆さま、本当に本当にありがとうございます。一生の思い出となりました。
*繰り返しますがこれは誰に向けてるわけではない、自分自身の思い出のための記録である。しかし読んだ人に何かを感じてもらえたらとても嬉しい。
心臓 セットリスト
1.うっせぇわ
2.Tot Musica
3.ラッキー・ブルート
4.ドメスティックでバイオレンス
5.愛して愛して愛して
6.過学習
7.マザーランド
8.ギラギラ
9.永遠のあくる日
10.私は最強
11.レディメイド
12.クラクラ
13.ショコラカタブラ
14.Value
15.Hello Signals
16.いばら
17.唱
18.踊
19.新時代
<アンコール>
20.DIGNITY
21.行方知れず
22.逆光
23.FREEDOM
24.桜日和とタイムマシン
25. 心という名の不可解