- 南アルプスをやめて白馬へ|前夜の白馬駅と、朝5時に見た2日分の予報
- 猿倉6時33分発|樹林帯の67分と、水を4リットル担いだ理由
- 白馬大雪渓を1時間ほど|スプーンカットの雪と、2,140mで秋道に移るまで
- 葱平から稜線へ|花が増えるのと入れ替わりに、視界が消えた
- 村営頂上宿舎のテント場|雨の中の設営45分と、同じテントの2人組
- 道を間違えた240mの先|ご夫婦が小声で教えてくれた雷鳥
- 白馬山荘で山頂を見送る|標高2,826mのラーメンと、白い壁
- 17時、空が抜ける|同じテント場が別の場所になるまで
- 18時に登り直す|片道30分の白馬岳山頂で見たブロッケンと日没
- 8月3日5時43分、同じ山頂|方位盤に並んだ硬貨と、その先の白
- 白馬岳から白馬大池へ|ガスが抜けたあとの稜線と、小蓮華山の鉄剣
- 白馬大池から栂池へ|大岩帯の2時間17分と、下りが遅くなる理由
- 二日で効いた装備|ヘルメット・チェーンスパイク・ポール・水4リットル
- 下山後|みみずくの湯と、特急で開けた地酒「大雪渓」
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2026年8月2日6時33分、猿倉。標高1,253m。バスを降りて、クマスプレーをショルダーハーネスに挿し、ポールの長さを合わせた。曇り。この時間で、もう暑い。
白馬岳は初めてだった。この日から一泊二日で、大雪渓を登って村営頂上宿舎のテント場に泊まり、翌日は小蓮華山を越えて栂池へ抜ける。同行は友人がひとり。
| 山・コース | 白馬岳(2,932m)/猿倉→大雪渓→村営頂上宿舎→白馬岳→小蓮華山→白馬大池→天狗原→栂池 |
| 日程 | 2026年8月2日(日)〜3日(月)/テント泊1泊 |
| 1日目 | 6:33発〜19:59着(行動13時間26分)/登り約1,840m |
| 2日目 | 5:07発〜10:46着(5時間39分)/下り約1,250m |
| 主な区間 | 猿倉→白馬尻 67分/白馬尻→稜線(2,721m)4時間9分=猿倉から通算5時間16分/テント場→白馬岳 片道30分ほど/白馬大池→栂池 2時間17分 |
| 雪渓の状態 | 2026年8月2日時点で上部は秋道。標高2,140m付近で雪を離れる。雪の上にいたのは1時間ほど |
| 天候 | 1日目=午前は曇りときどき晴れ、昼過ぎからガスと小雨、17時前に回復/2日目=早朝ガス、6時過ぎから晴れ |
| アクセス | 白馬駅から猿倉行きバス/下山は栂池自然園→ロープウェイ+ゴンドラ→バスで白馬駅 |
| 水場・トイレ | 猿倉荘・白馬尻・村営頂上宿舎・白馬山荘・白馬大池山荘・栂池自然園。大雪渓の途中にはない |
南アルプスをやめて白馬へ|前夜の白馬駅と、朝5時に見た2日分の予報
もともとは南アルプスだった。仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳で日程を押さえていたのに、直前の予報が崩れた。地図を北へ滑らせて、白馬が残った。
行きは新幹線を使わず、特急とローカル線で5時間近く。特急あずさは松本から大糸線に直通するので、乗り換えの手間がない。前泊は白馬駅から車で5分の民宿、六拾刈(ろくじゅっかり)。夕食は駅前の大衆酒場「肉駅停車」で、翌日から二日歩くことを都合よく忘れて飲んだ。
翌朝5時02分、予報をもう一度見る。日曜は午後に雨が混じりそうだが午前は保つ。月曜は11時から崩れる。初日は早く出て大雪渓を涼しいうちに抜け、二日目は雨より先に降りきる。行程はそこで決まった。
猿倉6時33分発|樹林帯の67分と、水を4リットル担いだ理由
猿倉から白馬尻までは林道と樹林帯で、標高1,253mから1,560mを67分。8月の低い樹林帯は風が通らない。曇っているのに気温は高く、歩き出して15分で汗が止まらなくなった。
僕は人よりかなり汗をかく。この日の水は4リットル以上を担いだ。テント泊装備にヘルメットとチェーンスパイクが加わって、そこへ4リットル。ザックは重い。それでも、大雪渓を抜けるまで補給できる場所がない。
途中で沢を渡る。木々の間に滝が落ちていて、汗だくで見上げると少しだけ体温が下がる気がする。
白馬大雪渓を1時間ほど|スプーンカットの雪と、2,140mで秋道に移るまで
白馬尻に着くと、河原の脇で大勢が足を止めていた。ザックを下ろし、チェーンスパイクを履き、ヘルメットのストラップを締める。装備を替えるための、独特の間がある場所だ。谷の奥は雲で埋まっていて、これから登る先に何があるのかは見えない。
白馬尻から雪の上に立つまでには、まだ少しある。石碑の先はしばらく岩の斜面で、高低差のある岩を大股で乗り越しながら、雪渓の縁を詰めていく。雪に乗ったのは8時半ごろだった。
足元は白と灰色のまだらだった。表面が融けて浅い窪みが無数に並ぶ、スプーンカットと呼ばれる凹凸。これがちょうど足がかりになる。8月の雪はほどよく緩んでいて、チェーンスパイクの歯が素直に噛んだ。写真で見ると壁のようだが、蹴り込む必要はまったくない。
履くのも外すのも数十秒で済む。雪の上と岩の上を何度か行き来するこの行程では、その差が効いた。
コースは雪面に撒かれた赤い粉で示されている。ベンガラと呼ばれる顔料で、白一色の斜面ではこれがないと、どこを歩けばいいのかが分からない。実際、上部ではガスが降りてきて、20mほど先の人影が輪郭を失った。
登っていると、ときどきカラカラと乾いた音がした。石が転がる音だ。そのたびに足が止まって、音のした方を探す。落ちてくるのは雪渓の上ではなく、両脇の岩壁からだった。自分たちの歩いている線まで届いたものは一つもない。それでも、音が鳴るたびに体が固くなる。
ヘルメットは雪渓に入る前に被って、抜けるまで脱がなかった。この日は何も落ちてこなかった。ただ、年間およそ1万人がこの雪渓を通り、落石や斜面の崩れによる事故はほとんど毎年起きている。周囲の岩は割れ目が多く、脆い。
標高2,140m付近で、列が雪渓から左手の岩場へ逸れていった。
雪渓が薄くなったり亀裂が入ったりすると、早めに雪を離れて山腹に道をつけ替える。これを秋道と呼ぶ。白馬山荘は7月29日に大雪渓上部が秋道に切り替わったと発信していて、僕らが歩いたのはその4日後だった。理由は歩いていて分かる。雪の縁が持ち上がって、下が空洞になっていた。
チェーンスパイクを外して、雪を離れる。ここまでずっと前を向いて登っていたので、そこで初めて後ろを見た。歩いてきた雪渓が、灰色がかった帯になって谷底まで伸びている。その左の谷から、雲が下から這い上がってきていた。まだ、こちらには届いていない。ヘルメットを被ったままの額に、汗が溜まっていた。
秋道はガレ場と草付きの斜面で、雪の上とはまったく違う登りになる。大きな石を大股で越し、固定ロープの張られた箇所を通過する。岩には赤と黄色のペンキで丸印が打たれていて、ガスの中ではそれだけが頼りになる。
葱平から稜線へ|花が増えるのと入れ替わりに、視界が消えた
雪渓の上部、標高2,000m前後の一帯を葱平(ねぶかっぴら)という。オレンジのクルマユリ、青紫の小さな花、黄色い頭花の群れ。雪が消えたばかりの斜面が、短い夏に一斉に咲いている。花に詳しいわけではないのに、足が何度も止まった。
そうしているうちに、ガスが濃くなっていった。標高2,400mを越えたあたりで雨が落ちてくる。ぽつぽつという程度だったのが、頂上宿舎が近づくころにははっきりした雨になった。二人ともレインウェアを上下とも着る。視界は、10mか20mか、というところまで縮んだ。
→ このガスがどこから来ていたのか、雲の名前で読み解いた話を読む
村営頂上宿舎のテント場|雨の中の設営45分と、同じテントの2人組
稜線の一角、標高2,721mに着いたのが11時49分。猿倉から5時間16分だった。
雨は続いていたので、着いてすぐ張ることにした。テント場はガレていて、ペグが素直に刺さる場所を探すところから始まる。設営に45分かかった。
僕のテントはDurstonのX-Mid 1 Solid。隣で、同じDurstonのテントを張るのに手こずっている若い二人組がいた。声をかけたら「お願いします」と言うので、一緒に張った。
彼らのはX-Mid 2 Pro。同じX-Midでも、1人用のSolidとは生地もポールの通し方も勝手が違う。四人でああでもないと言いながら、最後はきれいに立った。役に立つことを言えていたかどうかは、分からない。
道を間違えた240mの先|ご夫婦が小声で教えてくれた雷鳥
テントを張り終えて、山頂へ向かうことにした。歩き出して10分ほどで、どうも様子がおかしい。地図を見ると、北へ行くべきところを南へ来ていた。テント場から240mほど。標高はむしろ上がっている。
その先の、ちょっとした展望地のような場所で、先を歩いていたご夫婦が振り返った。小声だった。雷鳥がいますよ、と。
夏羽の雷鳥が一羽いた。灰褐色のまだら模様が草と岩に溶けていて、教えてもらわなければそのまま通り過ぎていたと思う。友人は雷鳥を見るのが初めてで、しばらく黙って見ていた。
向きを直して、来た道を戻る。
白馬山荘で山頂を見送る|標高2,826mのラーメンと、白い壁
今度こそ北へ。白馬山荘まで登って、標高2,826m。ここで休憩を取りながら、この先どうするかを話した。
山頂まではあとわずかで、行こうと思えば行けた。ただ、視界がない。ガスは濃く、行っても白い壁を見て帰るだけになる。この日は山頂を見送ることにした。
ビールとラーメンを頼んだ。雨に濡れた体に、熱いスープが入っていく。テント場に戻ったのが15時ちょうど。山荘でラーメンとご飯を食べたばかりで、腹はまったく減っていない。夕食をつくる気にもならず、この日はもう終わったつもりでシュラフに潜り込んだ。
17時、空が抜ける|同じテント場が別の場所になるまで
それが17時前に変わった。テントの外が明るい。出てみると、雲が下がっていた。テント場からすぐの、少し高くなった場所まで歩いてみる。
青い屋根の頂上宿舎と、その周りに散らばる色とりどりのテント。奥の岩峰まで見えている。振り返ると立山連峰があった。数時間前まで20m先も分からなかった場所である。
そして、それまで一度も姿を見せなかった白馬岳の山頂が、はっきり出ていた。
18時に登り直す|片道30分の白馬岳山頂で見たブロッケンと日没
「あそこまで行ってみようか」という話は、そこで一度出た。
行かない理由のほうが多かった。もう17時を回っている。往復で1時間はかかる。ガスの戻りは早いから、着く頃にはまた白くなっているかもしれない。この日はすでに一度、同じ理由で山頂を見送っている。テントに戻ってビールを開ければ、それで十分に良い一日だった。そのつもりで、一度は行かないことにした。
18時になっても、雲は戻ってこなかった。日没まではまだ1時間以上ある。行ってみよう、とどちらかが言って、慌てて支度をした。
テント場を出たのが17時59分。テント泊装備は置いて、ヘッドランプだけポケットに入れた。片道30分ほどの道だ。
登っている途中、斜面の下側のガスに、人の形をした影が立った。
先に見えたのは影のほうだった。霧の上に、頭と肩と、伸ばした腕がある。少し遅れて、そのまわりに輪があるのに気づいた。淡いオレンジと、その内側にうっすら緑。じっと見ていると、輪のふちがどこなのか分からなくなる。
ブロッケンだ、と二人で言い合って、しばらくそこから動けなかった。
山頂には何人かいた。全員が西を向いている。座っている人はいなくて、一人はスマホを高く掲げていた。雲は谷を埋めて、稜線の高さでゆっくり波打っている。それが端からオレンジに変わっていく。
18時53分、太陽が雲の層に触れて、赤い半円になった。
沈みきってから、ヘッドランプを点けて下りた。テント場に戻ったのが19時29分。
8月3日5時43分、同じ山頂|方位盤に並んだ硬貨と、その先の白
翌朝は11時から雨の予報だった。降り出す前に栂池まで抜けたい。5時に出るつもりで、4時15分に起きた。暗いうちに湯を沸かし、テントを畳んで、5時07分に歩き出した。
白馬岳の山頂を通過したのが5時39分。前の晩と同じ場所である。
「昨日行ってよかったね」
山頂にいたのは10分ほどで、写真を撮って先へ進んだ。
白馬岳から白馬大池へ|ガスが抜けたあとの稜線と、小蓮華山の鉄剣
白馬岳から白馬大池までは、ゆるやかに下りながら小さなピークをいくつも越えていく。歩き出してしばらくは、ずっとガスの中だった。今日は終日こんな感じかな、と言いながら歩いた。
6時00分にはまだ白かった。6時09分には、正面に山並みがあった。
抜けてみると、稜線の左右で表情がまるで違った。富山側はハイマツと草の斜面がなだらかに落ちていく。信州側は白っぽいガレが切れ落ちて、その底を雲が埋めている。同じ尾根の上を歩きながら、片側は牧場のようで、片側は崖だ。
足元は花だらけだった。名前はほとんど知らない。深く切れ込んだ花弁の濃い桃色が、ハイマツの縁に固まって咲いていた。白い小さな花が、丸い葉を敷き詰めた上に散っている。しゃがんで見て、立ち上がってまた歩く。それを何度も繰り返した。
雲の動きも忙しい。稜線を越えた雲が、そのまま反対側の谷へ流れ落ちていく。滝雲と呼ばれるものらしいが、落ちるというより、静かに注いでいるように見えた。振り返れば、歩いてきた稜線が細い線になって伸びている。
途中の小蓮華山(2,766m)は、山頂に鉄剣が突き立っている。ここへ来て初めて知ったのだが、新潟県の最高峰でもある。かつては祠があったが、山頂の崩落で失われた。いまは積まれた石の上に、小さな石仏がひとつ残っている。
船越ノ頭を過ぎると、進む先の景色が変わる。それまで見えていたのは山と雲だけだったのが、緑の斜面の向こうに水面が現れた。白馬大池だ。まだ遠い。
池が近づくにつれて、足元の植生がまた変わる。丸い葉が地面を覆って、その上に白い花が点々と乗っている。
この区間は、ほとんど言葉を交わさずに歩いた。
8時17分に白馬大池へ降りた。岸の近くは底の石が見えるほど澄んでいて、赤い屋根の山荘が湖畔に建っている。ここで12分休んだ。
白馬大池から栂池へ|大岩帯の2時間17分と、下りが遅くなる理由
白馬大池を8時29分に出て、乗鞍岳へ登り返し、そこから天狗原へ下る。この区間が大岩だらけだった。
一つひとつの石が大きく、段差も大きい。膝より高い岩に足を下ろし、着地点を目で探し、また次を探す。それが延々と続く。下りだから速いだろうと考えていたのが、実際はまるで速くならない。
11時から雨、という予報が頭にあった。休みたい、とは何度も思った。ただ、休めばそのぶん下山が後ろにずれる。それが嫌で、ほとんど足を止めなかった。大池から栂池までの2時間17分で、5分以上止まったのは一度だけだった。終盤は二人とも無言だった。
天狗原で木道に出た。板の上に乗せるだけで足が前に出る。湿原にはワタスゲの白い綿毛が揺れていた。
栂池自然園に着いたのが10時46分。雨には降られなかった。
二日で効いた装備|ヘルメット・チェーンスパイク・ポール・水4リットル
| 装備 | 今回どう効いたか |
|---|---|
| ヘルメット | 大雪渓では必携。落石が来なくても抜けるまで脱がない |
| チェーンスパイク | 8月の緩んだ雪面には十分。2,140mで外して秋道へ |
| 水4L以上 | 樹林帯と雪渓の間に水場がない。汗をかく体質なら削れない |
| Durston X-Mid 1 Solid | 雨の中の設営45分。ガレ場でのペグの効きは場所選びで補う |
| トレッキングポール | 雪渓の登りと、大池から栂池の大岩帯で効いた |
| クマスプレー | 出番なし。ショルダーハーネスに挿しておく |
| ヘッドランプ | 夕方の山頂から戻る下りで使用。日帰りのつもりでも入れておく |
| レインウェア上下 | 2,400m以上で着用。稜線の雨は横から来る |
ポール|大岩帯で腕に体重を逃がせるかどうか
ポールがいちばん働いたのは、雪渓の登りではなく2日目の大岩帯だった。膝より高い段差を降り続ける区間では、腕にどれだけ体重を逃がせるかで脚の残り方が変わる。Z折り式は畳んだときが短く、雪渓の取付でザックに挿すのが速い。長さ調整式は登りと下りで詰めたり伸ばしたりできる。今回のように登りと下りの性格がはっきり違う行程では、後者の利点が出た。
足元をもう一段|雪が硬い日と、傾斜が強い場面に備えるなら
今回チェーンスパイクで足りたのは、「8月上旬・午前中・雪が緩んでいる」という条件の上での話だ。6月から7月の残雪期は雪の量も傾斜も違う。早朝に雪面が凍っていれば短い歯では滑るし、傾斜が強い場面では前爪が要る局面も出てくる。前爪のある10本爪があると、蹴り込んで登れる範囲まで守備範囲が広がる。
クマスプレー|出番はなかったが、猿倉から先はずっと挿していた
二日とも使わずに帰ってきた。ザックの中に仕舞ってしまうと意味がないので、ショルダーハーネスの手が届く位置に挿しておく。熊用として設計されたスプレーは、唐辛子成分の濃度と噴射距離・噴射時間がEPA(米国環境保護庁)の基準で決められている。護身用の催涙スプレーとは別物だ。
持っていったもの一覧|ベースウェイト7.3kg、出発時11.9kg
この二日間でザックに入れて背負ったもの、身につけて歩いたもの、道中で減っていったものを分けて並べる。数字は自宅の秤で量った実測値で、テント泊装備としては軽くも重くもない、ごく普通の構成だと思う。
| ザックに入れた装備(ベースウェイト) | 7.35 kg |
| 水・食料・ガス・酒(減っていくもの) | 4.53 kg |
| 出発時のザック | 11.87 kg |
| + 着て歩いた分・手に持った分 | 0.88 kg |
重さの内訳を見ると、水の3リットル分が効いている。装備を100g単位で削っても、水1リットルで簡単に打ち消される。それでも大雪渓を抜けるまで補給できないので、ここは削らなかった。
ザックに入れたもの(7.35kg)
| 品目 | 使ったもの | 重量 |
|---|---|---|
| 背負う | ||
| バックパック | Trail Bum Go-on | 610 g |
| バックパネル | mont-bell V.B.P. バックパネル | 298 g |
| インナーバッグ | Sea to Summit ウルトラシル 36L | 65 g |
| 寝る | ||
| テント | Durston X-Mid 1 Solid | 890 g |
| ペグ | MSR グラウンドホグ | 104 g |
| フットプリント | Durston フットプリント | 100 g |
| テントマット | Evernew FP Mat 125 | 200 g |
| エアーマット | Therm-a-Rest X-Therm NXT | 540 g |
| 電動ポンプ | AEROGOGO | 28 g |
| シュラフ | Sea to Summit Spark 2 | 464 g |
| 枕 | NEMO Fillo Elite | 85 g |
| ランタン | TRYL マイクロランタン | 20 g |
| ランタン | ソーラーランタン | 57 g |
| 耳栓 | — | — |
| 持っていく衣類 | ||
| レインジャケット | THE NORTH FACE クライムライトジャケット | 298 g |
| レインパンツ | Typhon 50000 ST パンツ | 200 g |
| ダウンジャケット | karrimor ウルトラフェザージャケット | 210 g |
| ウィンドシェル | Quechua | 100 g |
| ミトン | ARC'TERYX ヴェンタミトン | 100 g |
| シャツ(長袖) | THE NORTH FACE ジップドライシャツ L/S | 160 g |
| パンツ(予備) | 山と道 5-Pocket Light Pants | 150 g |
| ソックス(予備) | mont-bell メリノソックス | 100 g |
| サンダル | Shamma Sandals Super Brown | 198 g |
| 雪渓と安全 | ||
| ヘルメット | Grivel | 360 g |
| チェーンスパイク | mont-bell ULチェーンスパイク | 300 g |
| 熊スプレー | フロンティアーズマン | 350 g |
| 会員制捜索 | ココヘリ発信機 | 60 g |
| ヘッドライト | Nitecore NU25 UL | 159 g |
| コンパス | Sun Company Therm-o-Compass | 9 g |
| ナイフ | Victorinox クラシック | 21 g |
| 救急セット | キネシオテープ4本ほか | 140 g |
| 折りたたみ傘 | — | 140 g |
| 水と食事 | ||
| ボトル | Nalgene | 100 g |
| ボトル | mont-bell フレックスウォーターボトル 2L | 75 g |
| 浄水器 | Katadyn BeFree | 20 g |
| バーナー | PRIMUS P-117 | 110 g |
| クッカー | ARATA ACP-700 | 68 g |
| 点火 | マッチ | 10 g |
| カトラリー | チタンスポーク | 10 g |
| カップ | Fozzils カップ | 34 g |
| こまごま | ||
| モバイルバッテリー | Flextail Zero Power 10000 | 145 g |
| 充電アダプター | — | — |
| 日焼け止め | — | 50 g |
| 制汗スティック | Old Spice | 100 g |
| 歯ブラシ | — | 10 g |
| 下山後セット | タオル・着替え・バフ・ソックス | 100 g |
着て歩いたもの・手に持ったもの(0.88kg)
| 品目 | 使ったもの | 重量 |
|---|---|---|
| 着て歩く | ||
| ミッドレイヤー | karrimor オクタ マウンテン ジップアップ | 150 g |
| シャツ(半袖) | THE NORTH FACE ジップドライシャツ S/S | 140 g |
| パンツ | 山と道 5-Pocket Light Pants | 150 g |
| ソックス | mont-bell メリノ 5本指 | 100 g |
| 手袋 | アクシーズクイン UVメッシュグローブ | 40 g |
| キャップ | Millet キャップ | 40 g |
| バフ | 雪の照り返し対策 | 10 g |
| シューズ | mont-bell アルパインクルーザー800 レザー ワイド | — |
| ポール | Durston Iceline Trekking Poles | 250 g |
水・食料・ガス・酒(4.53kg/出発時)
| 品目 | 使ったもの | 重量 |
|---|---|---|
| 消耗品 | ||
| 水 | 出発時 | 3000 g |
| ガス | PRIMUS 110 | 200 g |
| 行動食 | 3食分 | 120 g |
| 食事 | UL弁当 | 150 g |
| 食事 | まぜ麺 | 200 g |
| 食事 | 朝食2日分 | 100 g |
| 食事 | 予備パン | 150 g |
| コーヒー | — | 5 g |
| 酒 | ウイスキーと日本酒 | 600 g |
酒の600gは、削ろうと思えば削れる。ただ、テント場で飲むために担いでいるので、これは装備ではなく目的のほうだ。
下山後|みみずくの湯と、特急で開けた地酒「大雪渓」
栂池のレストランでビールを一杯飲んでから、ロープウェイとゴンドラで降りた。二日かけて登ったところを、座ったまま降りていく。
白馬駅行きのバスに乗り、「白馬ハイツ」で降りて歩いて6分のみみずくの湯へ寄った。白馬八方温泉の日帰り入浴施設で、大人650円。高アルカリ性のぬるりとした湯で、露天からは白馬三山と八方尾根が見える。前泊した宿も同じ八方温泉の源泉だったので、行きと帰りを同じ湯で挟んだことになる。
帰りの特急で、駅で買った地酒を開けた。
銘柄の名は、白馬岳のあの雪渓から来ている。ラベルに刷られているのは、前の日の朝に自分の足で踏んでいた雪だ。それを、安曇野の景色が流れる窓の横で飲んだ。