Daringdaddy’s days

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プラントベースはアスリートに有効?洋書「The Plant-Based Athlete」要約

パフォーマンスを追求するアスリートへ、プラントベースダイエットの新たな可能性

Netflixで、「ゲームチェンジャー: スポーツ栄養学の真実」というドキュメンタリーをみて、健康獲得&パフォーマンス強化という観点で、ビーガンという手段に興味を持った。

 

いくつか洋書を含めて探しているなかで出会った本書「The Plant-Based Athlete」は、トレイルランナーである著者がプラントベースの食生活に切り替えることで、競技能力の向上を目指す過程を紹介している。動物性食品を摂取しない食生活が、アスリートにとってどのような影響を与えるのか、科学的根拠やエビデンスに基づいて解説されており、アスリートに限らず、健康志向の人々にも有益な情報が詰まっている。

日本ではまだこのような視点から書かれた本はなく、非常に興味深い本である。

 

 

The Plant-Based Athleteの構成

本書は以下のように構成されている。

  1. プラントベースダイエットの基礎知識:プラントベースダイエットの定義や、その特徴について解説。また、植物性食品に含まれる栄養素や、プラントベースダイエットが健康に与えるメリットやデメリットについても紹介。
  2. 科学的根拠とエビデンス:プラントベースダイエットがアスリートのパフォーマンスに与える影響について、科学的根拠を提示。さまざまな研究結果をもとに、筋力、持久力、回復力などの観点から解説している。
  3. プロアスリートの事例紹介:プラントベースダイエットを実践している世界的なアスリートたちの事例を紹介。彼らの食事法やトレーニング方法など、具体的な実践方法を学ぶことができる。
  4. プラントベースダイエットの実践:プラントベースダイエットを始めるための具体的な方法や、食事の組み立て方、栄養バランスに配慮したレシピの提案。
  5. 疑問への回答:プラントベースダイエットに対する一般的な疑問や懸念に対して、科学的見地から回答している。

本書の要点は、プラントベースダイエットがアスリートの競技能力向上に寄与することができるという主張である。具体的には、以下の点が挙げられる。

  1. 植物性食品に豊富に含まれる栄養素が、筋力や持久力の向上、疲労回復に役立つ。
  2. プラントベースダイエットは、消化が良く、身体への負担が少ないため、アスリートにとって有益である。
  3. 環境や動物福祉の観点からも、プラントベースダイエットはサステナブルな選択である。

The Plant-Based Athleteの主張

本書では、以下の主張が網羅的かつ深く説明されている。

  1. 筋力向上:植物性食品に含まれるタンパク質やアミノ酸が、筋肉の合成や修復に役立ち、筋力向上に寄与する。
  2. 持久力の向上:植物性食品の抗酸化作用や炎症を抑制する働きが、持久力の向上につながる。
  3. 疲労回復:プラントベースダイエットが、アスリートの疲労回復に有効であることを示す研究結果が紹介されている。
  4. 環境と動物福祉:プラントベースダイエットは、地球環境や動物福祉にも配慮した選択であり、アスリートにとってもエシカルな意味で価値がある。

The Plant-Based Athleteの著者らの経歴

本書の著者であるMatt FrazierとRobert Cheekeは、ともにプラントベースダイエットを実践しているアスリートである。Frazierはトレイルランナーであり、ウルトラマラソンに出場するなどの実績を持っている。Cheekeは元ボディビルダーで、現在はプラントベースの食生活に関する講演や執筆活動を行っている。彼らは自身の体験や研究に基づいて、プラントベースダイエットの有益性を伝える活動を展開している。

同じテーマに関する他の本との比較

「The Plant-Based Athlete」は、プラントベースダイエットとアスリートのパフォーマンスに特化した内容であり、他の本と比較して以下の点で優れている。

  1. 科学的根拠の提示:多くの研究結果を引用し、プラントベースダイエットがアスリートのパフォーマンス向上にどのように寄与するかを明確に説明している。
  2. 具体的な事例紹介:実際にプラントベースダイエットを実践している世界的なアスリートたちの事例を紹介し、その効果を具体的に理解できる。
  3. 実践的なアプローチ:プラントベースダイエットの実践方法やレシピ、栄養バランスの取り方など、具体的で実践的な情報が提供されている。

The Plant-Based Athleteの想定読者層

本書の想定読者層は、以下のような人々である。

  1. アスリートやスポーツ選手:競技能力向上を目指すアスリートやスポーツ選手。
  2. 健康志向の人々:健康やダイエットに関心があり、自身の食生活を見直したい人々。
  3. 環境・動物愛護に関心のある人々:環境や動物福祉に配慮した食生活を送りたい人々。

The Plant-Based Athleteに対する世の中の反応

本書は、多くのアスリートや健康志向の人々から高い評価を受けている。一方で、プラントベースダイエットに対する科学的な反証も存在し、以下のような反駁がある。

  1. タンパク質摂取の問題:植物性食品だけではタンパク質の摂取が不十分になるとする意見。しかし、本書では、適切な食材の組み合わせにより十分なタンパク質が摂取できることを説明している。
  2. ビタミンB12摂取の問題:植物性食品ではビタミンB12が摂取できないという指摘。本書では、サプリメントやビタミンB12強化食品を利用することで解決できるとしている。

関連テーマ

以下のような周辺テーマがあるようで、深掘りする価値はありそうだ。

  1. 栄養バランス:プラントベースダイエットを実践する際の栄養バランスについて。
  2. アスリートのメンタルトレーニング:プラントベースダイエット以外にも、アスリートが競技能力を向上させるためのメンタルトレーニング法。
  3. サステナブルな食生活:環境に配慮した食生活の実践方法や、サステナブルな食材の選び方。
  1. スポーツ栄養学:アスリート向けの栄養学に関する知識や、各スポーツにおける適切な栄養摂取法。
  2. トレーニング方法:プラントベースダイエットを取り入れた上で、競技能力を向上させるための効果的なトレーニング方法。

ひと言まとめ

「The Plant-Based Athlete」は、プラントベースダイエットがアスリートの競技能力向上に寄与できることを示す、科学的根拠に基づいた内容が詰まった一冊である。ランナー視点から見て、本書の最大の収穫は、植物性食品の摂取によって筋力や持久力が向上し、疲労回復も促進されることが理解できる点である。また、環境や動物福祉にも配慮した食生活を実践することで、アスリートとしてのパフォーマンス向上だけでなく、地球環境への貢献もできるという意義も伝わってくる。

 

 

関連書籍

興味を持ったので関連した以下の本も読んでみた。

いきなり全面的に切り替えるのは無理だと自覚しているものの、週2〜3回とか、1日3食のうちの1食をビーガンにするのはできそうなので、少しずつやってみる。

Netflixのドキュメンタリーではそこまで伝えられてなかったが、栄養学的な観点で支障がでないように留意は必要そうではある。