安全・リスク管理
北アルプスを3〜5日テント泊で歩くときのファーストエイドキットを、稜線から最寄りの下山口まで何時間かかるかを起点に組み直した。足のトラブル・創傷・関節の固定という優先順位、日数で増やすものと増やさないものの線引き、外した装備とその理由まで書…
山で岩が顔に見えるのはパレイドリアという錯覚で、脳が正しく働いている証拠だ。ふだんなら0.25秒で「岩だ」に訂正されるその誤りが、寝不足や前夜に飲んだ睡眠改善薬の持ち越しで直らなくなる。南アルプスで天狗と読めない文字を見た体験から、正常な見え…
下山の膝痛は、お皿の前が痛むのか外側が痛むのかで壊れているものが違う。外側なら効くのは膝でも太ももでもなく尻の横で、6週間の強化で24人中22人が無痛になった報告がある。ポール・テーピング・サポーターを証拠の強さで並べ直し、金と手間をどの順に配…
山でマムシやヤマカガシに咬まれたとき、結果を左右するのは現場の処置より病院に着くまでの時間。全国178例の調査では走った群のほうが腫れも入院日数も軽かった。応急処置の推奨が正反対に割れる理由、30分の見極め、抗毒素が最寄りにあるとは限らない事情…
夏の雪渓で用意すべきものはアイゼンとヘルメットで終わらない。白馬大雪渓の調査資料によれば、近年死傷者を出しているのは落石ではなく、雪の上の岩が音もなく滑り出す現象だった。「朝なら安全」に実測の裏づけがないことも含め、装備で減らせる危険と感…
2026年8月、燕岳の登山口へ続く中房線が土石流で断たれた。常念岳の一ノ沢は2年、聖岳側の便ヶ島は3年、広河原〜北沢峠は7年閉じたまま。アルプスの林道が崩れ続ける地質的な理由と、行き先を決める段階で数えておきたい3つを整理した。