Daringdaddy’s days

登山/トレッキング、ファミリーキャンプ、トレイルランニングをこよなく愛す。ウルトラマラソンやウルトラトレイル(100KM)などに無謀に挑戦(いつも大体ビリ近辺)。Webベンチャー企業で働く。妻&子ども3人とスペインのバルセロナで2年生活。

オフィスの二酸化炭素濃度(CO2濃度)が、パフォーマンスに影響するという話。

新しい会社に入って以来、午後に頭が回らなくなる悩み

新しい会社に入ってからというもの、午後に急激な思考レベルの低下に悩まされました。

それはもう今までに経験したことのないくらいの、極端な低下。なんなんだこれは?!

 

もう40越えてるので、これは疲れか、老化か、睡眠不足か、食事だろうということで、老化はどうにもできないけれども、睡眠と食事は色々工夫してみた。

 

食事に関してはいくつかの本も読んで、勉強し実践した。

世界のピークパフォーマーが実践する脳を操る食事術

世界のピークパフォーマーが実践する脳を操る食事術

 
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

 

しかしそれでも目立った改善が見られないので、「もう年か。。。そうだよな。。。」と諦めかけていた。

 

二酸化炭素濃度測定機器Netatmoの導入

その矢先。

会社のエンジニアがnetatmoという機器を会社にもってきてくれた。 

これは二酸化炭素濃度のみならず騒音なども測定してくれるというもの。

実際にこのようなグラフ形式でCO2濃度を可視化してくれる。

以下で確認できるように人が会社に来はじめる9時前後を境に、二酸化炭素の濃度がどんどん濃くなっていくのが分かる。さらにお昼前には1000を越えて、夕方には1500近く鳴ってしまう勢いである。

f:id:daringdaddy:20180103155717p:plain

 

なんでもあのチームラボさんが、二酸化炭素濃度(酸素濃度)が業務パフォーマンスに影響を及ぼすという事でこのデバイスを使って測定し、オフィスの換気等の改善に取り組んでいるらしい。

元記事はこちらである。非常に面白いので読んで欲しい!

ch.nicovideo.jp

 

そして記事内にある症状の数々が自分とぴたり当てはまる・・・

> やたらと眠い

> 集中力でない

> 空気が悪い

 

そしてこんな記述も(上記記事から引用):

f:id:daringdaddy:20180103152916p:plain

 

なるほど、新しい会社に入ってからの自分の症状の原因がほぼ確定とみてよさそうだ。

 

「二酸化炭素濃度が思考力に影響する」とは具体的にどういうこと?

しかしこういう曖昧な情報ではなく、ついついソースを当たりたくなってしまう。

記事の中に「米ローレンス・バークレー国立研究所とニューヨーク州立大学の研究報告」という記載があったので、元となった医療論文を探す事に。

 

すぐに全米健康機関(NIH)の論文を発見したので、読んでみた。

Environmental Health Perspectives – Associations of Cognitive Function Scores with Carbon Dioxide, Ventilation, and Volatile Organic Compound Exposures in Office Workers: A Controlled Exposure Study of Green and Conventional Office Environments

 

まぁ、医療用語が多すぎて正直全部を理解したとはいえないのだが・・・

 

二酸化炭素濃度950PPM(換気無し)の状態を1としたときに、
・濃い状態(1400PPM)

・理想的な環境(500〜600PPM)

・そして1の状態(950PPM)ながら換気をした状況

で人間の認識能力にどのような影響があるのかを数値化した研究だ。

 

用語の対訳も間違ってるかもしれないが、
とりあえずまぁ要約したのが以下の表である。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
全体 1.00 1.69 1.99 0.99
基礎活動
レベル
1.00 1.20 1.35 0.91
集中活動
レベル
1.00 1.68 1.44 0.85
タスクへの
順応
1.00 1.05 1.14 1.00
危機
対応
1.00 2.05 2.35 1.33
情報の
検索
1.00 1.11 1.10 1.08
情報の
活用
1.00 2.61 3.94 1.01
アプローチ
の幅
1.00 1.29 1.43 0.98
戦略 1.00 3.17 3.77 0.83


表の見方ですが・・・

最初の行、つまり「環境」にあるのが、実験として用意された4つの状況である。
すなわち「ちょっと濃い二酸化炭素濃度でかつ換気していない環境」
の思考力を1として、他3パターンの環境との能力の違いを可視化したものだ。

二酸化炭素濃度が人間の認識能力に与える影響度 

最初にくるのは「全体」である。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
全体 1.00 1.69 1.99 0.99

 

 

次にくるのが「基礎活動レベル」「集中活動レベル」で一対の評価要素っぽい。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
基礎活動レベル 1.00 1.20 1.35 0.91
集中活動レベル 1.00 1.68 1.44 0.85

 

そしてさらに「タスクへの順応」から「戦略」までは、認識能力を因数分解したもの。論文中、これら能力荷関しては特段の解説もなかったので、この研究領域ではスタンダードとされているものなのかも。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
タスクへの順応 1.00 1.05 1.14 1.00
危機
対応
1.00 2.05 2.35 1.33
情報の
検索
1.00 1.11 1.10 1.08
情報の
活用
1.00 2.61 3.94 1.01
アプローチの幅 1.00 1.29 1.43 0.98
戦略 1.00 3.17 3.77 0.83

 

CO2濃度に影響を受ける思考力の種類は異なる

表をみてわかるのは、「基礎活動レベル」の1.35に比べて「集中活動レベル」1.44が、環境改善時のパフォーマンス向上幅が大きい。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
基礎活動レベル 1.00 1.20 1.35 0.91
集中活動レベル 1.00 1.68 1.44 0.85

つまりは集中作業をするときほど、酸素濃度の濃い空間で作業する事が高い生産性に繋がるということのようだ。

 

因数分解された能力別でも「情報の検索」「タスクへの適応」など比較的、集中力を要さなさそうなタスクはそれほどパフォーマンスに影響が見られない。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
タスクへの順応 1.00 1.05 1.14 1.00
情報の
検索
1.00 1.11 1.10 1.08

「タスクへの適応」は950PPM換気無しに比べて1.14倍の向上、「情報の検索」は1.10倍の向上だ。

 

一方で「情報の活用」「戦略」などは4倍近い向上!「機器対応」も2.35倍以上の向上である。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
危機
対応
1.00 2.05 2.35 1.33
情報の
活用
1.00 2.61 3.94 1.01
アプローチの幅 1.00 1.29 1.43 0.98
戦略 1.00 3.17 3.77 0.83

 

そして前述したように全体でも、2倍の向上となっている。

環境 ちょっと濃い
&換気なし
ちょっと濃い
&換気あり
理想環境 かなり濃い
CO2濃度 950ppm 950ppm 500-
600ppm
1400ppm
全体 1.00 1.69 1.99 0.99

 

思考力がこれだけ跳ね上がる可能性がある!

この数字を見てみなさんはどう感じましたか。

ぼくは、これをみたとき、大きな衝撃を受けました。

自分1人と思っていた午後のパフォーマンスの低さ問題が、自分以外でも大規模で起きている可能性が高い事が、数字でみられたので。

かなり真剣に取り組む必要があると実感した。

 

なにせ、思考力が2倍向上ってのはとてつもないことだ。
生産性にとてつもなく大きく影響を与えられる。

 

CO2濃度の事は分かった・・・ただ論文そのものの信憑性は?

これらの実験データは、怪しい論文が元ではなく、ちゃんとアメリカの国立衛生研究所NIHのサイトに掲載された論文である。

 

論文の第三者評価機関Altmetricによる論文スコアも200近くあり、とても評価の高い論文のようだ。

つまり信憑性はとても高そう。(専門家ではないのでこれ以上の事は読み取れません、ご容赦ください)

Altmetric – Associations of Cognitive Function Scores with Carbon Dioxide, Ventilation, and Volatile Organic Compound Exposures in Office Workers: A Controlled Exposure Study of Green and Conventional Office Environments.

 

職場のその後のCO2濃度に対する取り組み

ぼくはみんながくる前、朝早く出社して集中して仕事するのが昔から大好きだった。

ただ、集中できる理由の一つは酸素濃度の高さ(二酸化炭素濃度の低さ)だったのかもしれない。

 

このNetatmoによる測定を開始してから、オフィス内でも二酸化炭素濃度を一定数値以下に下げようという気運が高まり、いまでは換気がちょくちょくなされるようになって、高くても1000前後におさまるようになった。

以前は2000を越える事もあったので、大きな変化です!

 

ちなみに換気の悪い部屋で、ドアを閉め切って寝るのも良くないらしく、朝起きることには1000近くになっていることもあるらしいですよ!

 

2018年、新しい年の始まり。

仕事で勉強で、高い成果を出したい人が多くいると思います。

 

個人的に全くの盲点だった「二酸化炭素濃度」「酸素濃度」。

みなさんの職場でもこれに着目して、対策してみてはいかがでしょう?